食に関するコラム
このコーナーでは、暮らしのちょっとしたヒントや、気になるテーマをいろいろな角度から取り上げ、定期的におすすめしていきたいと思っています。皆様からの耳寄りな情報や、気になることも随時お待ちしています。
味噌汁 今回のおすすめはお味噌です
“おかあさんの味” “我が家の味”と言われてイメージするものといえば、圧倒的多数でお味噌汁が挙げられるのではないでしょうか?いくら洋食が増えようと、お味噌汁は日本の食文化には欠かせない一品です。お味噌汁の主役といえばもちろん味噌。この味噌、およそ千二百年前に中国から伝えられたと言われていますが、非常に優れた食材で、“強い武将のいるところには、よい味噌がある”といわれる程、昔から優れた食品として評価が高かったようです。
 
味噌の基本情報
一般的な味噌の製造方法は、大豆を加熱したあとすり潰し、そこに麹(麹菌を米や麦などに植え付け培養させたもの)と塩を加え熟成させます。ひとくちに「味噌」といっても、縦長の日本、地域によっていろいろな種類があります。分け方も、甘味噌と辛味噌、赤味噌、白味噌などいろいろな表現がされています。味噌の甘辛は、熟成期間の長短と製品中の塩分量、使用されている麹の割合で決まり、熟成期間が短く、麹が多いと甘口になります。また、味噌の色の違いは、大豆などのアミノ酸が発酵の過程で、糖と反応して褐色に変化(メイラード反応)するときの起こり方の違いにあります。白味噌はメイラード反応を起こしにくいように、大豆を蒸さずに茹でたり、熟成期間を短くしたりなどの工夫をしています。逆に赤味噌は、大豆に水を吸わせ、熟成にも長い時間をかけています。
下記に、麹で使用する穀物の違いによる分類を示してみました。

* 米味噌(白味噌)
――日本で生産されている味噌の80%が米味噌です。米麹と大豆を合わせ発酵させます。ほぼ全国で使用され、一般的には3ヶ月〜1年程度熟成させますが、京都の白味噌のように数週間の熟成で店頭に並ぶものもあります。
* 豆味噌(赤味噌)
――中京地方で親しまれています。大豆を蒸して潰し、丸い玉状(味噌玉)にしたものに、麹菌と香煎(大麦を煎って粉末にしたもの)を合わせて寝かしたあと、塩と塩水を加え熟成させます。熟成には通常一年半程度かけられます。
* 麦味噌
――主に、九州地方と瀬戸内海に面した地域で好まれていた味噌で、麦麹と大豆で仕込みます。その他の製法は、ほとんど米味噌と同じですが、どちらかというと甘めの味噌が多いようです。熟成期間は3〜6ヶ月程です。
味噌がほめられる理由
味噌の原材料は、基本的に大豆と麹菌と、種麹に使われる米(もしくは麦、大豆)、食塩です。主成分である大豆は本来、消化しにくい食品なのですが、この発酵によりタンパク質の約60%が水に溶け、約30%がアミノ酸になり、大豆そのものを食べるよりも、栄養を補給しやすくなるのです。
ちなみに、全く同じ材料を使用して同じ行程で味噌を作ったとしても、違う場所で同じ味を出すことは不可能に近いそうなのです。その理由は、水が違うことと、原料を仕込む蔵には、それぞれ違った微生物がいて、それらが発酵の際にどのような影響を与えるかによって、味が変わってきてしまうから、だそうです。そして製品化されても熟成を続ける生味噌は、容器の中でも呼吸をしているので、そのような味噌を密閉された容器で保管すると、突然「パンッ」と破裂して、脱出を試みるかもしれません。そのため、市販のものには容器のどこかに空気孔をつけたり、熟成を抑えたり止めたりするために、ごく少量のアルコールを加えたり、加熱したり等の工夫を行っています。熟成し続 けることにより、味に深みがでるとおっしゃる職人さんは多く、味噌本来の風味を味わいたい方には、熟成を止めていないものの方をおすすめします。
現代人支援食品
近年、味噌に関しての研究は非常に進み、裏付けがなければ「ホントかいな?」と言われそうなくらいの効果が味噌にはあることがわかってきました。以下、味噌に含まれる主な効果についてあげてみました。
* コレステロール抑制作用
大豆のサポニンには、血清コレステロール低下作用が、レシチンにはコレステロール除去作用があります。タンパク質は血管を強くします。
* 胃潰瘍予防効果
麹菌や酵母菌、乳酸菌が作り出す酵素などが消化を助け、粘膜を保護してくれます。成人を対象にした調査でも、有効性が実証されています。
* 老化防止作用
リノール酸やビタミンE、イソフラボン、褐色色素、サポニンが、過酸化脂質の生成を抑制してくれ、ビタミンB12は神経疲労に有効です。
* ガン予防
トリプシンインヒビターには、抗腫瘍性があり、リノール酸、酵母、乳酸菌等が発ガンと密接な関係にある物質を抑制する働きがあります。特に、胃ガン、乳ガンに効果があるとのことです。
* 放射性物質抑制効果
マウスによる実験で、味噌には放射線物質除去作用があることが確認され、原発事故後のチェルノブイリへの輸出が急増しました。
その他、たばこのヤニを取る効果や、整腸作用、美肌効果、消臭効果などなど、現代人には欠かせない効果が目白押しなのです。味噌に関しては、いろいろな研究機関での研究が進んでいます。そして研究されている教授たちが自信を持って薦めている味噌、今日の食卓にないなんてことは、ないですよね?

味噌と上手につきあう
味噌を選ぶ際には、次の点に注意して購入するようにして下さい。まず、しっとりして光沢がある冴えた色であること、おだやかな良い香りがすること(大豆や酸臭がしないもの)を選んで下さい。また、お味噌汁は塩分が高いとして敬遠されていましたが、お味噌汁一杯あたりの塩分は、約1、4〜1、6g程度で、医師から食塩に対する反応(食塩感受性といい高血圧と診断された方の約10%程度)が非常に高いと言われた方以外は、さほど気にすることがないとのことです。また、わかめや芋類など、塩分を体外に出す効果があるものを具材にするのも塩分を気にする方にはおすすめです。但し「バカの三杯汁」といわれ、いくら良いといっても、取りすぎは控えなさいと言う戒めの言葉があるそうですので、ほどほどに。開封後は香りや味を最後まで楽しむため、なるべく空気に触れないようにして、必ず冷蔵庫で保管しましょう。

「独り言」
味噌 幼い頃は、九州の田舎で麦味噌のお世話になりました。麦と大豆のつぶつぶしたものが入っているのが好きだったのですが、最近はつぶつぶの少ない漉してある味噌の方が好まれているそうです。それから、毎回お酒にまつわることで恐縮ですが、飲んだ次の日にも、味噌は効果的なのだそうです。味噌のサポニンやコリンが、肝機能を応援してくれるとのこと。うれしいですね。
ところで、今、私のセクションにある、全国から取り寄せたものをいれるための大型冷蔵庫は、何故か味噌でパンク寸前です。今日も出張で不在の担当者は、味噌の魅力にとりつかれたようで、「味噌」と言う言葉を彼から聞かない日はないくらい。次回のカタログでも、さぞや良いお味噌を見つけてくることでしょう。でも、もしかしてお酒好きな私への思いやりなのかなぁ、、、、。 
  猪口 ゆみ
情報提供:みそ健康作り委員会
今月のおすすめホームページ
味噌情報(提供:みそ健康づくり委員会)

味噌に関する歴史や、効果が詳しく掲載されています。
(http://www.miso.or.jp/)
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