食に関するコラム
このコーナーでは、暮らしのちょっとしたヒントや、気になるテーマをいろいろな角度から取り上げ、定期的におすすめしていきたいと思っています。皆様からの耳寄りな情報や、気になることも随時お待ちしています。
パン 今回のおすすめはパン
美味しいパンが食べたーい!
美味しいですよね〜、焼きたてのパン。大好きなんです。特に、堅めの美味しそうなパンには目がありません。昨日も、買ったばかりのパンが残っているのに、見事に焼き上げられたパンを見つけ、つい誘惑に負けて買ってしまいました。パンにもいろいろありますが、今回は、フランスパンを中心にパンについて調べてみました。印象に残ったパン屋さんのご紹介もしています。参考になれば幸いです。
 
パンの始まり
世界的な主食であるパンの歴史は非常に古く、その起源に関しても諸説あり、1万年前と推定している学者もいれば、6千年前だ、いや、キリスト生誕以降だと言う学者もいるようです。日本へはポルトガル人が漂着したときに、鉄砲と一緒に伝来しました。しかしながら鎖国時代には、長崎に駐留するオランダ人の食料としてのみ作られ、一般に出回ることはなかったようです(もったいない)。その後、「パンの祖」と呼ばれる、当時の戦略家の江川太郎左衛門が携行食糧として、米食より日持ちが良いパン(乾パンスタイルのもの)を採用したことがきっかけとなり、幕末から大正時代にかけてパンが普及し始めました。

日本のパン

日本独特のパンのなかでも、代表格である「あんパン」は、現在、銀座に本店を構える「木村屋」の木村安兵衛さんが明治7年に、また、「クリームパン」は現在の「中村屋」の創業者の相馬愛蔵さんが、当時食べたシュークリームの美味しさにヒントを得て明治37年に作り始めたのだそうです。この2店は、今でも日本を代表するパン屋ですね。
ちなみに、私のおすすめパンその1は大阪の「タマヤ」のあんぱん(TEL0724-26-2211)です。甘すぎないつぶあんに心惹かれてしまいます。あんパン好きの方は一度ご賞味あれ。
パンの日って何の日?
余談ですが、先ほどの江川太郎左衛門が本格的な焼き釜を作りパンの試作をしたのが、4月12日であるという記録があり、それを記念して毎月12日はパンの日になっているのだそうです。この日は、特にパンの品質や衛生、サービスなどの向上を心がける日になっていて、この日にセールをやっているパン屋さんもあるそうなのですが、私の努力不足なのか、私は未だかつてそのセールに出会ったことがないんです。残念。
ちょっと日本のパンを離れて世界へと目を向けてみましょう。
パンを主食とする国は、それぞれ独自のパン文化がありますが、私たちに一番馴染みが深いパンのひとつにフランスパンがあります。数軒ある私のお気に入りのパン屋さんに行くと、いつも芳ばしいパンの香りに出迎えられ、パン好きの私としては至福の気持ちでパンを選び始めるのですが、いつも素朴な疑問が頭をよぎります。「バタール」「バゲット」と呼ばれる似たような形のパンがありますが、何が違うのか気になったことがありませんか?
さすが、本場!
実は、フランスでは、中世からパン作りの材料や作り方などを王侯貴族が定め、生地の重さや長さ、クープ(表面にある切り口)の数に至るまで決められていたんですって。
バゲットは、日本語に訳すると「杖」。細身で、フランスでは長さが約68cmで、クープ(切り口)が7つあるもののことをいうそうです。皮のパリパリ感を楽しむパンです。
バタールは、「中間」の意味で、長さは40cm。バケットに比べると小振りで、家庭で食べるのにちょうど良いサイズです。ある程度太さがあるので、皮というより中身が楽しめるパンです。
この他にも、店頭で見かけるものが多い名前のなかで、ブールは直径20cm、シャンピニオンは直径8cm、葉っぱが連なるようになっているエピは長さが60cmなどど決められているのだそうです。だけど日本で作られるものは、フランスよりも小さいものが多いようです。

パリでは“犬も歩けばパン屋に出くわす”(?)くらい数多くのパン屋があって、毎食ごとに焼きたてのパンを食べられるのだとか。羨ましいかぎりです。 私のおすすめパンその2は、東京都世田谷区にあるベッカライ・ブルートハイム(TEL03-3439-9983)のパンです。ここの焼きたてバケットは、少食(?)の私でさえ、1本ぺろっと食べてしまうほど、パリパリ&フワッとしていて、いや、最高です。予約をして買いに行くことをおすすめします。
結構違うんだ
ひとことでパンといっても、いろいろな種類がありますね。そのなかで、糖類や油脂類、卵、乳製品などの配合が少ないパンを「リーン」なパンと呼び、その代表は先ほどのフランスパン。対照的に、それらの配合が多いものを「リッチ」なパンと呼ぶのだそうです。リッチなパンには、食パンやクロワッサンなどがあります。種類によって味も形も違いますが、栄養分も違ってきます。ちなみにあんパンは266kcal、フランスパンが293kcal。クロワッサンは、431kcalとダントツの高カロリーパンです(全て100g当たり/日本食品成分表より)。それに、パンにつきもののバターやジャムもそれなりのカロリーがありますので、ダイエット中の方はご注意を!
美味しく食べたい(保存の技)
焼きたてが一番美味しいフランスパン。できれば6時間以内に食べるのがベストなのですが、1本丸ごと食べるには、ちと大きすぎます。パンを保存する場合には、パンの水分を逃がさないようにラップでピチッと包んだあとに、さらにビニール袋に入れ、冷凍庫で保存しましょう。食べるときには、自然解凍したものをアルミシートで包み、温めたオーブンで7〜8分焼き、その後シートを外して1〜2分焼きます。ちょっと面倒だという方は、前の夜に冷凍庫から出しておくと朝、ちょうど良い位に解凍しています。
また、時間が経ったパンは、軽くトーストすることで、パンに含まれるでんぷんを消化しやすく(時間が経ってβ化したでんぷんを再度加熱してα化)してくれます。
美味しく食べたい(カットの技)
山形の食パンを1斤買ってきたときには、焼き上がりから少し時間をおいて、食パンを横に倒し(底を自分に向け)て力を入れずに手前にナイフを引いて切ります。フランスパンは、クープのざらざらしたところを切っていきます。自称パン好きの私ではありますが、恥ずかしながら、私の自宅には今までパン用のナイフありませんでした。が、セコムの食の試食会で、はじめてパン用のナイフの「切れ味」を知り、非常に感動したことを今でも鮮明に覚えております。調子に乗って、つい指も切ってしまいましたが、、、。
パン好きの方は、是非パン用のナイフをお求め下さい。きっと感動すると思います。

「独り言」
パン 多くのお父さんの楽しみが、毎晩の晩酌だったりするように、私も「ちょっと一杯」はささやかな楽しみです。ビールをちょこっと飲んだあとに、週末買い込んだワインと一緒に衝動買い(?)したパンのなかから今日はどれを食べようかと選ぶときが一番シアワセかもしれない。パンとワインなんて、どっかの女優みたいですが、そんなかっこいいものじゃないんです。まず、パンを選ぶでしょ。それで一口食べたら、子どもの頃の習性で牛乳が飲みたくなるんです。そしたらまたパンが食べたくなってしまう。そうするうちに、ワインに達する前にパンが終わっている。なんだ、結局のところは、先にパンと牛乳でおなかをシアワセにしてあげたあとで、ちびちびとお酒を飲んでいるんだ。そういえば、看護婦の頃「アルコールを摂る前は牛乳で胃に膜を作りましょう」と患者さんに指導していたっけ。自ら実践しているということですね。
ところで、セコムの食でご紹介しているスピカのパン。実は、カタログに掲載するずーっと前から個人的に大ファンで通っていたパン屋さんなのです。堅くてしっかり焼かれたパンは、一度食べたら止められませんよ。お陰様で大好評をいただいております。セコムの食 夏号ではオリジナルセットを組んでいただきました。まだの方も、一度食べた方もパン好きの方は、食べてみない手はないですよ。
  猪口 ゆみ
参考資料:パン(婦人画報社)
     四訂日本食品成分表
     パンの小百科(科学技術教育協会)
今月のおすすめホームページ
料理研究家の竹野豊子さんのHPです。

美味しいパンの作り方や料理に関する多方面の情報がのっています。
(http://www.take-p.net/toyokosan/)
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