食に関するコラム
このコーナーでは、暮らしのちょっとしたヒントや、気になるテーマをいろいろな角度から取り上げ、定期的におすすめしていきたいと思っています。皆様からの耳寄りな情報や、気になることも随時お待ちしています。
トマト 今回のおすすめはトマト
真っ赤な太陽、真っ赤なトマト、夏はやっぱり赤がいい。
八百屋さんの店頭を彩る真っ赤なトマト。今や年中見かけるようになりましたが、やはり旬の時期である夏のトマトは美味しさも格別です。ある調査によると、消費者がトマトを選ぶときのポイントは、色30%・鮮度24%・味19%で、消費量が一番多かったのは50代の女性だったそうです。ふぅ〜ん、トマトは美肌にいいって聞くし、50代までにはまだまだあるけれど、これからずっと食べ続ければ、その頃にはきれいなアタシでいられるかしら?今回は、トマトがテーマです。
 
きれいなトマトだねぇ
トマトの原産地は、南米のアンデス地方だといわれています。ヨーロッパには16世紀、また、日本には17世紀頃に伝えられたようですが、赤い色や特有の青臭さ、酸味などが嫌われ、もっぱら鑑賞用とされていたようです。せっかく熟れたトマトを食べないなんてもったいない!

“黄金のリンゴ”

しかしながら、19世紀以降にイタリアでトマトソースが生まれたことをきっかけに、トマトは食用として広く利用され始めました。現在では、世界の野菜生産量トップに輝くほど、数多くの国の食卓にお目見えするようになり、イタリアでは“黄金のリンゴ”、スペインでは“愛のリンゴ”、ドイツでは“天国のリンゴ”と称されるほど愛されるようになりました。ちなみに、日本で食用として栽培が行われたのは、札幌農学校のクラーク博士が近郊の農家の人に依頼したのが第1号だといわれています。
さて、どっち?
ところで、トマトは野菜でしょうか?それとも果物でしょうか?
アメリカでは、19世紀後半に「トマト論争」と呼ばれるものが起こり、裁判にまで発展したそうです。争点は「トマトは野菜か果物か?」というもの。当時のアメリカでは輸入の際、果物には関税がかからず、野菜のみが課税対象でした。そのためトマトの輸入業者は、“トマトは果物だ”と主張したのですが、判決は「野菜」。判決文の中には「トマトはかぼちゃなどと同じように野菜畑で育てられている野菜で、食事中に出されるが、デザートにはならない」とあったそうです。ちなみに日本の定義では、トマトやウリは「果菜類」として野菜扱いになります。

トマトいろいろ
同じように赤い顔をしているけれど、トマトだってそれぞれに個性があるのです。ここでは店頭で見かけることが多い品種についてご紹介します。
  • ファースト
    果実の先端がツンとしていて、果肉部が多く、身くずれが少ない品種です。一時は非常に人気が高かった品種ですが、桃太郎(下記)に圧されて最近はあまり見かけなくなりました。

  • 桃太郎
    完熟型(株の上で熟してから収穫)の品種で、高糖度で甘みと酸味のバランスがとれています。大玉で、収穫したあとも変質が遅いのが特徴です。

  • フルーツトマト
    完熟型で小型のトマトです。レストランのシェフの間で人気となり、急速に認知されるようになった品種です。甘みと酸味のバランスが良く、皮が薄いのが特徴です。加熱調理にも向いています。

  • チェリートマト
    プチトマトの中でも、一番馴染みのある品種です。かつては、航空機の機内食用として一部でのみ栽培されていたのですが、1980年代に入り一般にも普及するようになりました。現在ではトマトの出荷量の約10%を占めるようになりました。

「トマトが赤くなると医者が青くなる」
ヨーロッパには、トマトに関する古い格言が多くあり、昔からその良さを認められていたようです。トマトの赤い色はカロチンとリコピンによるものです。カロチン(特にβ−カロチン)はビタミンAに変化しやすく、免疫力の低下を防いだり、眼精疲労や肌荒れに効果を発揮してくれるといわれています。リコピンは体内で活性酸素(身体が老化する原因)を抑制する効果があり、その効果はビタミンEの100倍ともいわれています。また、抗ガン作用に対する期待も高まっていて、特にトマトを多く食べる人は、消化器系のガン発生率が低いことがイタリアの研究所の調査結果で報告されているそうです。「トマトのある家に胃病なし」という格言もあるそうですが、昔の人は長年の体験からこのことを知り得ていたのでしょうね。また、リコピンは熱に強い性質を持っていますので、加工品のジュースやケチャップでも十分に摂取できるのだそうです。ありがたいですね。
「トマトのあるところにへたな料理人はいない」
トマトはうま味の元であるグルタミン酸を多く含んでいます。ですからトマトを料理に使えば、それだけで“だし”を入れるのと同じ効果があり、当然、味はグーンと良くなるわけです。特に、肉料理や魚料理に使うと、肉や魚の臭みが取れると同時に、食材に含まれるイノシン酸(グルタミン酸と同じくうま味成分のひとつ)とトマトのうま味が混じり合うので、“デリシャス“な料理になっているというわけです。なるほど!今日はお肉とトマトを買って帰ろう!
美味しく食べよう
全体の色が均一で皮に張りがあり、へたの部分が濃い緑色で、丸い形をしているものが良いトマトです。角張っていたり茶色いひびがあるものは避けましょう。手に取れるのであれば、ひとつひとつに重みがあるものを選んでください。水につけると沈むものは糖度が高い証拠だそうです。
また、トマトは冷やしすぎると味が落ちるので、できれば常温で保存し、2、3日で使いきる量を購入しましょう。長めに保存したい場合には、冷蔵庫の野菜室(くれぐれも冷やしすぎには注意)を利用したり、ポリ袋に入れて密封すれば、熟れ過ぎるのを防げます。

「独り言」
トマト トマトってパワフルなんですねぇ。感心しちゃいました。これからは、人をご招待するときには必ずトマト味のものを作ろうと思います。味だけでなく身体の老化まで抑えてくれるなんて。偉い!そういえば、セコムの食スタッフにも、人間ドックで胃潰瘍を指摘されたと嘆いていたヒトがいました。試食に次ぐ試食の副産物か、はたまた、デリケートな性格なのか。ことの真相は定かではありませんが、いずれにせよ、早速トマトの良さを教えてあげなくっちゃ。あ、だけど病状によってはトマトの酸味が刺激物になることもありますので、通院中の方は主治医に相談してくださいね。 セコムの食で「トマト」といえば「太陽の味,命の水」。と、なんとも大袈裟な名前のついたトマトジュース。だけど、名前に負けないほどの味は保証します。北海道産の桃太郎を使い、トマトの青臭さを多く含むへたの部分を大きく取り去り、完熟トマトの甘いところだけをギューッと搾っていますので、そりゃ、もう、大好評です。トマトジュースファンの方は見逃せませんよ。
  猪口 ゆみ
参考資料:食材図典(小学館)
     野菜基本大百科(集英社)
     四訂食品成分表(女子栄養大学出版部)
     産経新聞
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