食に関するコラム
このコーナーでは、暮らしのちょっとしたヒントや、気になるテーマをいろいろな角度から取り上げ、定期的におすすめしていきたいと思っています。皆様からの耳寄りな情報や、気になることも随時お待ちしています。
海老 今回のおすすめは海老 その1
嫌いな人に会ってみたい
みなさんは、「海老は嫌いなの」という人に出会ったことがありますか?アレルギーなどで食べれない方は別として、私は今まで海老が嫌いな人にあったことがないんです。
昔ほどの高級感はないものの、海老はいつの時代も人気者。和洋中、オールマイティに活躍しています。かくいう私も海老は大好物です。店頭で活きた車海老がおがくずにまみれているのを見つけると、つついてしまう習性は未だ治らず、「お、動いた」なんて喜んだりして。だけど、ひとことで海老といっても千差万別。伊勢海老も海老なら、サクラ海老も海老。今回は、海老がテーマです。ぷりぷりっとした、あの食感を思い浮かべながらおつきあいください。
 
エビフリャ〜がどえりゃぁ食べたいでかんわ〜
日本人は、海老が大好き。世界的に見ても、堂々1位の輸入国。2位のアメリカの約1、5倍、世界の海老の約30%を日本人が食していて、世界各国から100種類以上の海老を輸入しているそうです。海老(フライ)と聞いて、心ときめくのは名古屋人だけではないようです(名古屋のヒトごめんなさい)。とはいえ、名古屋の一世帯当たりのエビの購入量は3.7Kgで全国平均の3.4Kgと大差ないそうです。ちなみに、我がセクションにいる愛知県出身者3名も海老フライは大好物だそうですが、私は皮ごと塩焼きが好みです。輸入された海老が最終的に利用される場所で一番多いのは、和食店と中華店で、家庭での消費は全体の約1/4だそうです。
 
海老に学ぶ忍耐学
海老に詳しい書籍を開くと、海老に属するものが地球上に出現したのは、今から5億7000万年前の古生代カンブリア紀だそうです。カンブリア紀っていわれてもねぇ、、、。小学校の教室にあった年表をもう一度見なければ。その後、私たちが店頭で見かけるようなホンエビ上目と呼ばれる種類が現れたのは、2億2000万年前。はるか遠くの頃から、海老はこの地球に存在し、マンモスが死んでしまうほどの氷河期や過酷な暑さにも耐え忍び、今では水温2〜3℃の寒冷な水域から30℃に達する暖水域、浅瀬から水深500m近い深海まで、海洋では数、種類共に最も多い生き物(単細胞を除く)なのだそうです。いやぁ、すばらしい。ちっちゃくても強く生きていけばいいことあるんですね。
海老を探求する
では、実際にどのくらいの数の海老がいるのでしょうか?一般に海老と呼ばれるのは約3000種であろうといわれていて、地球上のあらゆる水界に棲んでいるのだそうです。とはいえ、その全てが食用というわけではありません。ここでは、私たちの食卓に身近な種類について分類してみました。
  • 車エビ類
    車エビ、ブラックタイガー、芝海老等がこれに含まれます。ブラックタイガーは養殖できる海老として有名です。どれもそれなりに存在感があり、食べたときに満足感があるものが多いですね。

  • 小海老類
    海老と呼ばれるもののうち1700種類を占めるのが小海老類です。たらば海老科に属する甘海老、シマ海老、ボタン海老、シロ海老やイタリアンレストランでよく登場するテナガ海老のほか、シラ海老、サクラ海老などがあります。

  • 伊勢海老類
    いわずと知れた、海老の王様です。伊勢海老のほか、アメリカイセエビ、ヨーロッパイセエビ、オマールエビなどがあります。伊勢海老は可食部分が40%と少ないのですが、あの存在感とミソも含めた美味しさに多くの方が心惹かれてしまうのでしょうね。

海老を英訳せよ
日本語ではひとことですむ「海老」も、欧米ではいろいろな呼び方をされています。ロブスター(Lobster)、プロウン(Prawn)、シュリンプ(Shrimp)。日本ではプロウンはあまり馴染みがないですが、これらはどういう風に使い分ければいいのでしょうか?
ロブスターは、伊勢エビに類した形をした「歩く海老」のことを指します。あとの2つは国によって差があります。アメリカやアメリカの海老市場に影響を受ける地域(東南アジアなど)では、ロブスターを除く海老類全ての総称としてシュリンプと呼ぶことが多いのに対し、イギリスなどのヨーロッパでは、一般に車エビ類に属する海老をプロウンと呼び、小海老類をシュリンプと呼ぶのだそうです。地域によっては厳密な分け方をせず大型はPrown、小型はShrimpとすることもあるようです。たしかに、海外旅行先でのメニューにPrawnと書いてあったもので小さいものはなかったなぁ。ご旅行の際は参考になさってください。

海老の栄養素
例えば芝海老は66kcal、甘海老は70kcal、伊勢海老は104kcal(全て100g当たり)と種類によって差はありますが、全体的にカロリーは低い方だといえるでしょう。また、必須アミノ酸と呼ばれる、私たちの体内では作ることができず、且つ不可欠なアミノ酸9種類を全て含んでいます。優秀ですね。血中コレステロールの量を抑制する効果や、疲労回復効果があるとされているタウリンも含んでいますし、海老の殻に含まれるキチン質といわれる成分は、大腸ガンを起こすといわれているウエルシュ菌を抑制する効果があるとされています。カルシウムやカリウムも多く含んでいて、漢方学的には冷えを防いだり、疲れやすい時などに効果があるとされています。ただし、痛風の原因となるプリン体を多く含んでいますので、健康診断で尿酸値が高いと指摘された人はご用心を!
ひとっ風呂浴びて、きれいになる
味もさることながら、彩りを楽しむことも食事をするときには大切なことですね。特に日本食は目で楽しむ料理ともいわれています。そういう日本人の「わびさび」的視覚に強烈に訴えかける容姿と味を兼ね備えているのが海老の魅力といえるでしょう。だけど、水中で泳いでいる海老は白っぽかったり、褐色だったりして決してきれいではありません。海老はカロチノイド系と呼ばれる色素を持っていて、それがたんぱく質と結びついてそれぞれの色になっているのです。色素量の違いによって、水中では褐色だったり、シロっぽかったり緑だったりするのですが、茹でると赤くなるのは、加熱によりたんぱく質が変性を起こし、色素とたんぱく質の結びつきが切れるためだそうです。いくらきれいになるとはいえ、海老にとっては熱すぎるお風呂は迷惑だったりするかも。

「独り言」
海老 あ〜、海老が食べたい、食べたい。今日のランチは海老のトマトソースのパスタにしよう。一体、私は今までにどのくらいの量の海老を食べたんだろう?その中でも印象に残っている海老はいくつかあります。まず、プーケット島(タイ)にいったときに食べたプーケットロブスター。まさに伊勢海老という風貌と、日本では考えられない低価格に惹かれ、一匹ぺろっと、心おきなく美味しく食べちゃいました。次に、最近の北海道出張の際、寿司屋で食べたボタン海老。身が引き締まり甘味を蓄えた旬の味に、あ〜、日本人でよかったぁ〜。と思える瞬間でした。それと、セコムの食でご紹介している「海老カツレツの海老です。商売で言ってるんじゃないですよ。いや、実は試食する前はあまり期待してなかったのですが、あのぷりぷり感には驚きました。衣もいい。海老好きの方は食べるべし、ですよ。 最後に、簡単且つ、美味しい食べ方“湯引き”をご紹介します。海老を塩ゆでして、長ネギのみじん切りと醤油、ごま油を合わせたたれを用意します。あとは海老を山ほどお皿に盛って皮をむきながらたれにつけて食べるのみ。香港で出された料理ですが、めちゃくちゃ美味しいです。是非お試しあれ。

以下、海老のコラム その2に続きます。
  猪口 ゆみ

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