食に関するコラム
このコーナーでは、暮らしのちょっとしたヒントや、気になるテーマをいろいろな角度から取り上げ、定期的におすすめしていきたいと思っています。皆様からの耳寄りな情報や、気になることも随時お待ちしています。
ネギ 今回のおすすめはネギ
ご注文は?ネギチャーシュー2つね。
ネギ間、ネギラーメン、鍋物、オムレツ、お味噌汁、お好み焼き、芽ネギをのせて細い海苔でまいた白身魚の寿司。これらのお料理に絶対欠かせない、というわけではないけど、ついつい入れてしまうネギ。心惹かれてしまうのは何故でしょうか?一年中出回っているネギですが、実は多くの品種が秋から冬にかけて旬を迎えます。秋にはちょっと気が早いですが、大活躍の時期の前にしっかりネギをマスターしておきましょう。夏の終わりに素麺を食べながら、薬味に入れているネギのうんちくを語るのもいいかも(?)。
 
歴史と共に歩んだ味
ネギは、もともと中国の野菜で、3000年前から栽培されていたといわれています。中国の歴史が4000年とも5000年ともいわれていますが、ネギは中国の歴史の半分以上を共に歩んできたというわけですね。日本では、奈良時代にはすでに栽培されていたようで、大和本草(貝原益軒 著)には「死人の鼻や耳に入れると甦る」と記してあるとか。ただ、西洋ではすでに玉葱が多く利用されていたこともあって、日本のようには広まらなかったのだそうです。
 
海坊主?タコ坊主?
魔除けとしての効果もあるといわれていて、神社仏閣の柵や飾りとして見かける擬宝珠(ぎほうし=金色の玉葱のような飾り)は、ネギの花をかたどったものなのだそうです。ネギの花は“ネギ坊主”と呼ばれ、種を飛ばす前のタンポポのように白くふわふわとしていて、ネギの先端の方に咲きます。生け花などに使われることもあり、生け花の師範免許を持っている友人に聞いたところによると、比較的使いやすく、重宝する花材なのだそうです。だけど、もう少しかわいい名前を付けてあげればよかったのにね。
地区別、色別ネギ事情
「ネギ」といわれて、皆さんはどんなネギを想像しますか?鍋に入れるようなネギですか?それとも薬味に使うようなネギですか?ネギは使い方はもちろんのこと、地域によっても“メジャーなネギ”が違いますね。
  • 根深ネギ
    白ネギ、長ネギと呼ばれるネギで、関東以北でネギと言えば根深ネギを指すことが多いです。深谷ネギや加賀ネギは代表的な品種です。下仁田ネギは江戸時代に幕府に献上されていたことから「殿様ネギ」とも呼ばれています。

  • 葉ネギ
    青ネギと呼ばれる、関西以西で多く見かけるものです。九条太ネギや九条細ネギが有名です。わけぎはネギと玉葱の交雑種で温暖地に多く栽培されています。博多万能ネギなどもこれに属します。

また、変わった種類のものには、葉先がちょうど、大阪万博のシンボルだった「太陽の塔」のような形をしたヤグラネギや、茨城県の一部で栽培されている、可食部分が赤い色をした赤ネギ等があります。また、あさつきは一般にわけぎの早採りしたもののことを指すことが多いですが、正確には西洋のチャイブと呼ばれる香草の仲間で、わけぎより辛味が強いです。
ちなみに、らっきょうもネギの仲間で、こちらは5〜7月が旬なのだそうです。

栄養を比べてみよう
根深ネギは100g当たり27kcal、葉ネギは100g当たり25kcalとエネルギー的には大差ないのですが、それぞれに含まれる成分を比べてみると実は結構違っていたんです。葉ネギの方が、根深ネギよりもカルシウムや鉄分、カリウム、マグネシウムなどのミネラルが豊富で、全体的に1.5倍くらい多く含まれています。特にカロチンは根深ネギの150μgに対して葉ネギは860μgと大差をつけています。どちらのネギも大量に食べることはあまりないですが、色々な場面で登場する機会がある野菜ですのでなるべく多く摂るようにしたいですね。
薬味=役に立つ味
ネギには硫化アリルという成分が含まれます。この成分によってネギの、あの独特なニオイと辛味成分が生まれます。硫化アリルはビタミンB1の吸収を助けると共に、消化液の分泌を促してくれるため食欲増進効果があるといわれています。また、血行を良くして代謝を促進する効果があり、お疲れ気味の方や冷え性の方におすすめです。昔から風邪をひいたときにはネギを食べたり首に巻いたりするように、といわれていますが、理にかなっているわけですね。消臭効果や殺菌効果も期待でき、魚や肉の生臭さを消すのにも役に立ちます。
ネギを見定めるコツ
根深ねぎを購入する際には、全体的に光沢があり、白い部分が固くしまっているもので、緑色の部分が鮮やかなものを選びましょう。触ってみてスカスカしているものはパスです。
葉ネギは、緑色が鮮やかでみずみずしいものを選んでください。購入後は、どちらのネギも折り曲げないように保存するのがベスト。根は茎の栄養分を奪ってしまうので、泥つきのもの以外は、切り落とした方がいいのだそうです。私、根がついていた方がいいのかと思ってました。


「独り言」
ネギ コテコテの九州人だった子供の頃、いわゆる白ネギを食べた記憶がなかった(店頭で見かけた記憶もなかった)私は、ネギ=青い部分を食べるものだと思っていたんです。毎朝、納豆に小ネギを入れて食べていました。それでそのまますくすく育って、ある日のこと。友達一同とお鍋をする機会があり、“野菜切る係”を仰せつかった私は、当然の如く青い部分もザクザク切ってテーブルに並べたんです。そしたら、実家が関東で料亭を営んでいる某友人から、どういう感性をしているんだと小馬鹿にされてしまったことがあります。だけどねぇ、たかがネギを切るくらいで、感性まで問われなくてもいいような気がするんだけどなぁ、、、。
ネギを使ったお店でおすすめといえば、港区白金にあるお好み焼きの「甚六」(03-3441-1436)です。お店の方が丁寧に焼いてくれるお好み焼きは、ネギが“これでもか”といわんばかりに入っていて、病みつきになる美味しさです。人気店で非常に込み合いますので、予約していった方が無難です。
薬味としてネギをいただくなら、やはり麺類に限ります。「セコムの食」で麺類といえば、定番の人気商品である頑固でご麺や、夏号でブレイクした小西名人の古式手技うどんなど逸品たちが勢揃いです。お店では手に入らないものばかりです。ぜひ、お試し下さい。

  猪口 ゆみ

参考文献:食材図典(小学館)
     野菜基本大百科(集英社)
     四訂 女子栄養大学出版部
     キッチン栄養学(上村康子 著:高橋書店)

コラムに対する感想、また、内容や誤字等に関するご指摘は、こちらまで。
このコーナーでは、暮らしの中の小さなヒントになることや、楽しい情報をいろいろな角度でおすすめしていきたいと思っています。ちょっと気になることやみなさんに教えてあげたいよいことがありましたら、フリーダイヤル0120−049−756(カスタマーセンター)までご連絡下さい。

リンク先で提供される情報・画面は、それぞれの提供先企業が作成、管理しているものです。

shopping shopping