食に関するコラム
このコーナーでは、暮らしのちょっとしたヒントや、気になるテーマをいろいろな角度から取り上げ、定期的におすすめしていきたいと思っています。皆様からの耳寄りな情報や、気になることも随時お待ちしています。
甘酒 今回のおすすめは甘酒
冬は温めて、この時期は少しぬるめでね
1月は行く、2月は逃げる、3月は去る、と申しますが、時の流れというものは誠に早いものでございますね。暖冬といわれたこの冬も、ここへきてのこの寒さ。春はどこまで近づいているのでしょうかねぇ?
そうそう、3月といえば“ひな祭り”。女の子がいるご家庭では、ひな人形が飾られているところも多いことでしょう。子供にすくすくと育ってほしいという願いはいつの時代も同じですが、古い言い伝えによると、ひな祭りが終わった後もひな人形をそのまま出しっぱなしにすると、その家の子は婚期を逃すのだとか、、、。そんなの単なる迷信だとタカをくくっていた、とあるご家庭では、今ではかなり後悔しているとか。お気を付けくださいね。さて、今回はひな祭りにぴったりの甘酒がテーマです。
 
お酒なのに、お酒じゃない?
童謡で、右大臣がくいっと一杯いただいて、赤いお顔になったのは白酒ですが、青少年がくいっと一杯いただいても、顔を赤くすることがない甘酒。それはアルコール飲料ではないからです。だけど、米麹で作る甘酒は、製造過程が清酒の仕込みとそっくり。一体何が違うのだろうかと、大手の甘酒製造メーカーの「篠崎」さんに伺ったところ、酵母をいれるか入れないかが大きな違いになるのだそうです。酵母を入れるとアルコール発酵を起こしてしまうのですが、甘酒は酵母を入れないのでアルコールは発生しないのです。だからいくら飲んでも酔っ払わないんですね。なるほど!
 
作り方いろいろ
「甘酒」と書いてある商品を買って飲んでみても、なんだか以前に飲んだことがある味と違う、ということを経験した方はいらっしゃいませんか?ひとくちに甘酒といっても、作るには2つの方法があります。
 
初詣で飲む味はこちら
まず、米麹を用いて作る方法。米麹というのは、蒸した米に麹菌をつけて繁殖させたもので、種麹と呼ばれます。菌を繁殖といっても、みかけは普通の白いご飯と何ら変わりはありません。その米麹を、蒸し煮したお米に混ぜ、お米のでんぷん質をを糖化させて熟成させていきます。初詣などで振舞われている甘酒は、こちらが主流です。
 
お手軽な味はこちら
もう一つは、酒造りの際にできた酒粕を、水で薄めながら加熱して作る方法で、甘さは砂糖などを加えて出します。こちらは、酒粕を使用している分、酒粕が含んでいるアルコール分が、甘酒にも若干残ることがあります。米麹を使って作る甘酒よりは比較的お手軽な価格で販売されていることが多いようです。
 
甘酒の効用
甘酒はヨーグルトなどと同じ発酵させて作る食品です。ヨーグルトは主に乳酸菌が乳酸発酵を起こすことで牛乳が酸っぱい味に変わるのですが、甘酒の場合は麹菌がお米のでんぷん質を糖化させ、甘い飲み物になります。甘酒に含まれているペプチド(たんぱく質を酵素で分解してできる物質)は私たちの身体の細胞の強化などに有効であることがわかっています。また、麹菌は善玉菌と呼ばれ腸内の環境を整えるのに役立ちます。
麹菌が生み出す麹酸には老化した皮膚や毛穴を活性化させる働きがあるといわれ、化粧品や養毛剤などの成分にも含まれています。さらに、ペプチドの一種である“アンギオテンシン変換酵素阻害物質”という、なにやら難しい名前の物質は、天然の降圧剤と云われていて本態性高血圧(原因が確定できない高血圧)の方には効果があるのだとか。たまにはお酒の代わりに甘酒を飲んでみては?
甘酒を作ってみよう
自宅でも簡単に甘酒が作れます。

<材料>
米1カップ・米麹(市販されています)使用量は米とほぼ同量・美味しい水

<用意するもの>
保温ポットか炊飯器

<作り方>

  • 用意したお米を硬めのおかゆくらいになるように炊きます。
  • 炊き上がったら少し(60℃くらい)冷まして、そのなかに米麹を投入します。米麹は冷凍で固まっている場合が多いので、細かくばらしてください。
  • 保温ができるポットか、炊飯器の保温の状態で待つこと6〜10時間。この間、55℃前後で保存するのがベスト。
  • はい、美味しい甘酒の出来上がりです。甘さはお湯で好みの加減に調整してください。

私も作ってみました
人にものを伝えるときには、やはり自分で体験しなきゃ。昨日、レシピに基づき甘酒を作ってみました。なぁんだ、簡単じゃない!と、鼻歌を歌いながら作ってみたのですが、甘くなってない!どうして?硬めのお粥もきちんとできたし、米麹も砕いて入れたし、分量も守ったのに、、、、、。一体何が悪かったのかとかなり落ち込んでしまいましたが、考察した結果、温度管理ができずに菌が繁殖できなかったか熱すぎて死んでしまったかであろうという結論に達しました。哀れな米1合と米麹は、ちょっと甘いお粥として私の胃袋に消えていきました。かわいそうに、、、、。じ、次回こそ成功させてみせましょう。

「独り言」
雛人形 今思うと、我が家のひな祭りは地味だったなぁ、、、。慣習に興味がない両親だったのか、はたまた男まさりの私には必要ないと思ったのか、それは定かではありませんが、、、。ある年のひな祭り前後、私は戸棚の奥にある甘酒を発見して、こっそり飲んだことがありました。甘酒というからにはきっと甘くて美味しいものと期待していたのに、あまりのまずさに吐き出してしまいました。今から思うとあれは、酒好きの親戚のために買い置きしていたどぶろくだったんですね。
さて、「セコムの食」でも美味しい甘酒をご紹介しています。福井県産の有機米(無農薬無化学肥料米)と、甘酒作りのためにわざわざ井戸を掘って手に入れた清らかな水を使って仕込んだ、心も身体も温まる美味し〜い甘酒です。是非お試しください。

  猪口 ゆみ

資料提供:篠崎
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