食に関するコラム
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鰹 今回のおすすめは鰹(その1)
目には青葉、山ほととぎす、初鰹
晩春から初夏の風景を詠ったこの一句は、いかにも春爛漫という感じが出ていて、そして個人的には非常に食欲をそそる歌だと思います。そうか、世の中は春か、、。たまには気ぜわしい人生をお休みして、ゆっくりした時間を過ごしたい気にさえなってしまいますね。、、、、とはいえ、この時期にお休みなんか簡単に取れるわけなーい!という方々は、せめて初鰹でも食べて季節を感じてみては?かくいう私も、鰹でも食べて気をまぎらわせるしかないのですが。さて、今回は鰹がテーマです。
 
名前の由来
鰹は、昔から私たち日本人には馴染みが深い魚で、古事記や養老律令にもその記録が残っています。名前の由来にも諸説ありますが、堅魚という言葉が変化して「かつお」となり、字も「堅い」と「魚」がくっついてできたものだという説が有力のようです。堅魚とはいいながらも、本来は傷みやすい魚でもあるため、刺身として食べ始めたのは鎌倉時代以降なのだそう。その前は堅くなるまで干してから食べていたため、堅魚とよばれていたと考えられています。
 
死ぬまで泳いでやる!
鰹は温かい海が好きで、水温が17〜30℃、透明度が20m以上の海を好みます。秒速は6〜7m(は、はやい!)、寿命は5、6年といわれていますが、その間休むことなく、眠っているときも泳ぎつづけるのだそうです。まるで一時期、日本各地で繁殖していた企業戦士みたいだ。休む間もない鰹は、当然のことながら多くの栄養や酸素を必要とし、カタクチイワシなどが大好物です。また、身が赤く見えるのはヘモグロビン(色素タンパク)などを多く含むためです。
 
鰹の種類
鰹は分類上、サバ科に属します。鰹の仲間には、マガツオ(ホンガツオ)、ヒラソウダ、マルソウダ、ハガツオ、スマなどがいますが、このなかでも利用価値が一番高いのは、やはりマガツオ。また、同じ“ソウダガツオ”のなかまでもヒラソウダは刺身や照り焼きにすると美味ですが、マルソウダは血合いが多く生食には向かず、もっぱら加工にまわされることが多いそうです。ちなみに、マルソウダは別名「メジカ」と呼ばれますが、これは目と口が近づいているからなのだとか。今度、マルソウダを見かけたら観察してみます。
 
マガツオを追え
勇ましい漁師たちが荒波のなか一本釣りで仕留めるのは、鰹の王様ともいうべき「マガツオ」です。そして鰹漁といえば、一本釣り。鰹の漁法には一本釣りの他、巻き網漁、定置網漁などががありますが、一本釣りの場合、マガツオどうしが網の中でぶつかり合って傷つくことがないため、品質がよく高値での取引が行われます。鰹は傷むのがはやいですからね。遠洋で捕獲された上等な鰹は、多くの場合生きたまま船上で一気に−60℃で凍結され水揚げを待つことになります。
 
初鰹 VS 戻り鰹
春から夏にかけては初鰹、秋以降に食卓に上るのは戻り鰹。初鰹は南方産の鰹のことで主に赤道直下〜房総沖で獲れたもの、戻り鰹は北海道の沖合いから南下するものを捕獲します。初鰹は繊細な味と香りが特徴ですが、戻り鰹は冷たい海を泳いでいる分身も引き締まり脂のノリも十分です。最近の傾向としては脂がのった戻り鰹のほうが人気なのだそうですが、都内の某“超”高級寿司店では初鰹しか握らないのだとか。ん〜、食べたいっ!
鰹の栄養
鰹はたんぱく質を非常に多く含む魚です。また、ビタミンA、B1、B6、D、Eや鉄分、カリウム、カルシウム、リン、亜鉛などのミネラル分を多く含み、貧血の予防や疲労回復などに効果的だといわれています。また、鰹に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)は記憶力や視力の向上に役立つといわれ、IPA(エイコサペンタエン酸)は、動脈硬化を防ぐ効果があるといわれています。
鰹のうまみ
鰹に含まれるうまみ成分のなかで、一番影響を与えているのはイノシン酸です。鰹を加工し、うま味を凝縮させた鰹節は、日本の食文化にはなくてはならない「だしのもと」ですが、お料理の一番だしには、鰹節に含まれるイノシン酸のうち約98%が溶け出しているのだそうです。だから美味しいんですね。また、鰹に含まれるイノシン酸に昆布に含まれるグルタミン酸などが出会うと、うま味の相乗効果が得られることもわかっています。だしを取るときはダブルの効果を狙うべし。

「独り言」
鰹 「猫に小判」ということわざはよく聞きますが、「猫に鰹節」ということわざもあるのだとか。この意味は、好物を近くに置いていては油断がならない、ということだそうです。たしかに好物が近くにあると、我慢するのは大変ですよね。私の場合は、数え切れないくらい好物があるので、人生いつも我慢の連続、ということになります。特にこんな仕事をしていると、毎日がまさに修行のようです。以前、占いに凝っているときに、私には「食の神」がついていると何人かの占い師に言われたことがありましたが、今となっては当たっているとしか思えない環境です。感謝、感謝!
さて、セコムの食では、鰹のだしを効かせたつゆでいただく、これからの季節にもってこいの麺をご紹介しています。へぎそば青森産の布海苔をたっぷり練り込んで打った麺と一緒にお届けするそばつゆは、鰹だしをたっぷり使って仕上げた香り高いつゆです。詳しくはHPをご覧ください。

  猪口 ゆみ

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