食に関するコラム
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たこ 今回のおすすめはたこ(その1)
たーこ、たーこ、あーがれ
幼稚園のころ、お弁当のおかずの定番。片側に切れ目を入れて油で炒めて、作ってもらいませんでした?たこのウインナー。わたしは、海苔を巻いてハチマキまでつけてもらっていました。今や真っ赤なウインナーは茶色いウインナーに市場を奪われて、食べる機会が減ってしまいましたが、その代わり、わたし自身はたこそのものを食べる機会がグンと増えました。ニンニクとオリーブオイルでいためても良し、軟らか煮にしても良し、タコ天でカラッと揚げても良し。もちろん、寿司ネタでも良し。今回は、たこがテーマです。
 
ところ変われば、立場変わる
欧米ではデビルフィッシュと呼ばれ、食さない国もあるようですが、私たち日本人にとってたこは愛すべき存在ですね。海に囲まれた日本では、古くからたこを食べていたようで、弥生時代の遺跡からタコツボが見つかっています。たこは英語でOCTPUS(オクトパス)と書きますが、これはラテン語でOCTO=8本の、POUS=足。つまり8本の足という意味からきています。そのまんまですね。
 
たこの代表格
たこは、世界中に約250種類ほどいるといわれていますが、日本近海にいるのは、約60種類ほどです。そのなかでも、食用として最も馴染みがあるのは3種類。真だこは、日本で食用にするたこのなかでもっとも美味といわれていて、寿司ネタや酢のものなどで食べられています。ただ、近海で獲れるたこは激減していて、輸入たこに頼っているのが現状です。近海ものと輸入ものでは、近海ものの方が高く、特に明石で獲れる真だこは「明石だこ」とよばれ高値で取引されます。
 
たこの身体
生物学的な分類でいうと、たこは“頭足網”という分類に属します。いかもこの仲間です。たこの絵を描くときにあたまとして描かれているところは、生物学的にいうと胴にあたり、胴の中には内臓が入っています。では、どこがあたまかというと、目があるところです。かわいい絵を描かれているたこですが、生のたこをじーっと見てみると、意外と鋭い目をしているというか、貪欲そうな感じの目なんですよね。たこは、警戒心や縄張り意識がかなり強い生き物でもあるのです。そして、寒がり。水温がおよそ7℃を下回るところでは、生きていけないのです。
 
オス、メスの見分け方
たこのオスとメスは、どうやって見分けられるのでしょう?一番わかりやすいのはたこの8本ある腕(足)のうち、正面から数えて右の3番目の腕が他よりも長く、先の方には吸盤がなくヤスリのような形をしているのがオス。この腕は、生殖の際に精子をメスに渡す役割を持っているのです。大切な腕なので、海で泳いでいる最中には、3番目の腕を内側に丸めていることも多いのだそうです。

もっと簡単な見分け方もあります。たこをひっくり返して吸盤を見たときに、吸盤が整然と並んでいるのはメス、時折おっきいのがポツポツとあるのがオス。これなら、わかりやすいですよね。このコラムを書いている最中に、スーパーに立ち寄って、観察してみました。おもしろいですよ。今度、魚屋に行ったら観察してみて下さい。

 
たこの脱皮
海老やカニが脱皮をするのはよく知られていることですが、実はたこも脱皮するのです。特に吸盤は、私たちでいえば指先に当たる繊細な部分なので、脱皮が頻繁なのだそうです。明石だこの取材で、伺ったことですが、たこを水槽で飼ったりいけすに入れておくと、ぷかぷか透明なリングが浮いてきて知らない人は不思議がるのだとか。ちなみに、たこの吸盤は平均240個(1パイにつき)くらいあるそうです。

「独り言」
たこ 先日、念願であった明石だこの取材に行ってきました。沖から戻ってきた船から、次々に水揚げされるたこはめちゃくちゃ元気で、スキあらば逃げようとして足(腕)を伸ばしあっという間に籠から脱出を図っていました。もっとも、漁師さんだってプロですから、そんな簡単に逃がすことはなく、もぐら叩きを思わせるようなバトルが浜のあちこちで繰り広げられていました。今回、取材に伺った明石浦漁業協同組合の戎本さんによると、今年はたこの漁獲量がすごく少なくて、例年の1/5なのだそうです。うーん、さみしい。たこの漁獲量は、春先に獲れる海老の水揚げ量に反比例することが多いようなんです。たこの大好物である海老がたくさん獲れるということは、天敵であるたこが少ないからと予測されるからだそうです。海の食物連鎖を知る漁師さんならではですね。
  猪口 ゆみ

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