食に関するコラム
このコーナーでは、暮らしのちょっとしたヒントや、気になるテーマをいろいろな角度から取り上げ、定期的におすすめしていきたいと思っています。皆様からの耳寄りな情報や、気になることも随時お待ちしています。
ほうれん草 今回のおすすめはほうれん草
緑色したできるやつ
お浸し、胡麻和え、シチュー、グラタン。いろいろなお料理に彩りと栄養を与えてくれるほうれん草。年中見かけるほうれん草だけど、旬は冬。夏場とこの時期のほうれん草を比べてみると味も栄養も夏と冬ではかなり違うのだとか。そりゃそうだ。一番育ちたいときに育っているほうれん草のほうが、美味しいに決まってる。ならば、その美味しいほうれん草をいただこうじゃありませんか。だけど、注意して。ほうれん草を使うにはちゃちゃちゃっと手際よく調理することと、アク抜きだけは忘れずに。で、今夜はどうしよう? 今回はほうれん草がテーマです。
 
伝来の由来
ほうれん草の原産はペルシャ(現イラン)です。それがどうやって日本へたどり着いたかというと、まず回教徒によりシルクロードを通って7世紀頃に中国へ持ち込まれ広まったものが、16世紀に日本に伝えられたのではないかといわれています。また、ヨーロッパへは11世紀頃から広まり、アメリカに至っては19世紀後半から20世紀はじめ頃に伝わったといわれています。
 
「ほうれん草」にたどり着くまで
ほうれん草の原産はペルシャ。ほうれん草は中国名で書くと『菠薐草』となります。菠薐とは、ペルシャ(現イラン)という意味で、ほうれん草はペルシャの草という意味なのです。この菠薐を実際に発音しようとすると“パァゥリン”となり、これがシルクロードを渡る間にポゥリン、ポゥレン・・・・そしてホウレン、ほうれん草となったようです。今の名前にたどり着くまで、長い旅路だったのね。
 
似ているようで違う顔
ほうれん草は、大きく分けて品種が3つあります。東洋系品種と西洋系品種、そしてこれらを掛け合わせた交雑種です。東洋系品種は比較的寒さに強く味はどちらかというと淡白でおひたしなどに向いています。西洋品種は東洋品種よりはが厚く濃緑色でバターいためなどに合う品種です。ただ、わたしたちが食べているものの多くは交雑種で、日本人の口に合うように品種改良されているものだそうです。最近、多く見かける生食用のサラダほうれん草もこの交雑種のひとつです。
 
角さん、助さん、しゅう酸・・?
ほうれん草は優秀な食品だけど、アクが強いのがたまにキズ。アクの成分はシュウ酸という成分で、食品にえぐみや苦味、渋みなどを与えます。このシュウ酸はカルシウムの吸収を悪くしたりカルシウムと結合して腎結石や尿管結石の原因となることもあります。といっても1日に数キロのほうれん草を何週間も食べつづけない限りは、そうそう心配しなくてもよいのだとか。但し、結石が出来やすい体質の方などは控えてくださいね。ちなみに、尿路結石の約80%はシュウ酸カルシウム由来の結石なのだそうです。以前は手術が主体だった結石の治療でしたが、近年はESWLと呼ばれる、患者さんにあまり痛みを与えない治療法も確立しました。医学はまさに日進月歩ですね。
 
きっちり、洗う
ほうれん草のアクは、塩を少々入れたたっぷりのお湯で茹でて水洗いすれば半分以上が茹で汁に溶け出るそうです。お湯をたっぷりにしていないと、茹でるときにお湯の温度が一気に下がってしまい、結果、長く茹でることになり、ほうれん草のシャキット感や栄養をなくしてしまうので、ここは十分のお湯で茹でましょうね。また、せっかく茹でたものにアクがつかないよう、溶け出した茹で汁はきっちりと洗い流しましょう。また、店頭に出回っている生食用の『サラダほうれん草』は、通常のほうれん草よりはアクが少なめであることが多いため生食でも食べられるのです。
 
すばらしき美容食なり
ほうれん草を食べたポパイがやたらと強くなるのを見てわかるように、ほうれん草は栄養がぎっしりつまった野菜です。鉄分や亜鉛、銅、マグネシウム、カリウム、カルシウム、ビタミンA、B1、B2、Cなどが豊富に入っています。これらミネラル分をあまり摂らないでいるとイライラしたり貧血になったり、万病を引き起こす元になってしまいます。ポパイならずとも、摂ることを心がけていきたいものです。また、ほうれん草の100g当たりのカロリーは生だと105kcal、茹でると117kcal。お浸しでいただく場合には、食べた量の1、2倍が摂取カロリー(ドレッシング等除く)だという目安にもなり、ダイエット中の方にも嬉しい食材ですね。
 
ポパイ ザ セーラーマン
ほうれん草といえば、ポパイ。窮地に立たされるとほうれん草の缶詰を食べて、敵をやっつけるというストーリーで一躍有名になったアニメです。ポパイは1929年にシンプルシアターという漫画で登場しました。だけど最初はヒーローではなく悪役だったそうです。それが、何度やられても立ち直るところが人気となり、いつのまにか悪役から一転、ヒーローとなりご存知のように世界中で人気者となったんだそうです。
 
SPINACHI
ポパイはピンチの時、SPINACHIと書かれた缶詰を握りつぶして、缶から飛び出た中身を口に放り込むと力こぶがドーンと出て猛烈にパワーアップするんですよね。わたしの知人は子供の頃、その缶に書いてあるSPINACHIというものが何なのか、ポパイを見るたびに気になっていたそうです。その後、高校時代になり英語でほうれん草のことだとわかって胸に詰まったものが取れた気がしたそうです。それから、ポパイが食べるほうれん草の缶詰ですが、実はこれ、『ポパイ』が始まった当初はなんとキャベツだったのです。驚きですね。
 
新聞紙をご用意のほど、、、
ほうれん草に限らず、葉もの野菜は鮮度が命。まずは、なるべく早めに食べるように心がけましょう。生のほうれん草を保存する場合は、ぬれた紙(新聞紙など)でほうれん草を包み、それをポリ袋に入れて冷蔵庫、できれば野菜室へ。これで5日間くらいは保存が可能です。また、長期保存をしたい場合には一度茹でて使いやすいように切りそろえたものを冷凍庫で保管してください。

「独り言」
ほうれん草 一人暮らしが長くなると、一人暮らしのお友達同士でお招き会をやることがあります。その時には、手料理なんぞ作って友人一同をお待ちするのです。はりきってメニューを考えるまではいいんですが、元来、大雑把なわたし。当日になると手が回らなくなり、「ま、いっか」とほうれん草のアク抜きをしないまま、バター炒めを作ってしまいました。今さらながら、悪いことをしたなぁと反省しております。じ、次回はもうばっちりよ!皆さん懲りずにいらしてね。
  猪口 ゆみ

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